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貧困解消のためには国民負担率を上げること

日本で最右翼の増税論者である権丈善一氏が、国民負担率と相対的貧困率が綺麗に相関していることを指摘している。

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http://news.fbc.keio.ac.jp/~kenjoh/work/korunakare254.pdf

経済を「市場」から見るか「再分配」から見るかで、「成長戦略」も相当に変わってくる。もちろん、市場から見る人も再分配の重要性はよく理解しているが、それは市場のメカニズムがより純粋に作動するための再分配であり、だから無条件かつ一律の現金給付である「ベーシックインカム(最低所得保障)」を好む傾向がある。

再分配から経済を見る人たちも市場を敵視しているわけでは全くなく、むしろ市場のメカニズムの外部の論理を導入するほうが、結果的に市場への信頼性と活力が高まると考えるのである。再分配派にとって、市場はあくまで経済システムを構成している制度の(重要ではあるが)ひとつに過ぎない。だから、政府やNPOなどの非営利組織が、市場とほどほどの緊張関係を維持していたほうがよい、という結論になる。

好みはあるだろうが、私は基本的に再分配派のほうに同意する。政府の暴走が抑制されるべきであると同じ意味で、市場の暴走もどこかで修正されなければならないが、市場派の経済理解からはその論理が出てこないように思われるからである。

そして、もし経済学の永遠の課題が「貧困の解消」だとすれば、そのための中心的なアプローチが市場ではなく再分配であるということは、権丈氏の示すデータで明らかだろう。もちろん、再分配が社会主義的な「貧困の平等」に陥ることなく、それを持続的なもの、活力のあるものするためには、市場の役割が絶対に不可欠なものとなる。

市場派の人たちで特に納得できないものがあるとすると、再分配のためには市場による経済成長がまず優先されるべきだという論理である。もちろん成長戦略は必要だが、いますぐに出来ること、つまり国民負担率を上げて低所得者(特に介護従事者のような需要が高いにも関わらず待遇の劣悪な労働者)への再分配を渋る理由には、全くならないと考えるのである。

権丈氏も指摘するように、「国民負担率」というのは、税金や社会保険料を「負担」であると誤解させるという意味で、あまり適切な言葉ではない。ただ「国民連帯率」というのも、どこか誤魔化しくさい感じがするのだが。

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